ある行動が消去されようとすると、その行動が爆発的に増えてしまう。バーストが起こる。「逆境をバネにする」というのは、その例である。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第25回目となる。
【引用はじめ】
消去というのは、最終的には行動を消し去るが、しかし初期にはかえって行動の爆発的な増大を招く。これをバーストという。バーストは、いろいろな場面で起こる。たとえば、よく「逆境をバネにする」というが、あれもバーストの一種である。
「逆境をバネにする」
「今までずっと」 (直前)レースに勝たない⇒(行動)レースで走る⇒(直後)レースで勝つ
↓
「それがいきなり」 (直前)レースに勝たない⇒(行動)レースで走る⇒(直後)レースに勝たない
↓
「すると」 もっと必死に走る
いつも徒競走で1番をとっていた人が、あるときから勝てなくなったとする。すると、その人は、勝ちたいと思って一生懸命に走る。練習でも、本番でも、今まで以上に必死に走る。そして、その努力が実を結ぶと、再び勝てるようになる。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊) p.31
【引用おわり】
「逆境をバネにする」という行動のメカニズムには、「消去」に対する「バースト」の原理が働くということである。消去もプラスに働く場合があるのだ。
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