2022年4月20日水曜日

勉強好きにすることの難しさ

 子どもを勉強好きにしたいとは誰でも思う。それにはなかなかうまくいかない。なぜか。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第31回目となる。

【引用はじめ】

強化と弱化が同時に存在

《強化》

(直前)褒め言葉なし⇒(行動)子どもが勉強する⇒(直後)褒め言葉あり

(直前)好奇心が満たされない⇒(行動)子どもが勉強する⇒(直後)好奇心が満たされる

《弱化》

(直前)遊べる⇒(行動)子どもが勉強する⇒(直後)遊べない

(直前)からかわれない⇒(行動)子どもが勉強する⇒(直後)からかわれる

 このように、私たちは、絶えず何らかの強化・消去・弱化にさらされながら生きている。 それも、同じ行動に対して、複数の強化や消去や弱化が同時に働いていることも珍しくない。子どもが勉強するという行動を見ても、「褒められる」「好奇心が満たされる」などによる強化と、「遊べない」「からかわれる」などによる弱化が同時に存在しうる。

 結局、子どもが「勉強する」という行動を頻繁にするかどうか、平たく言えば勉強好きになるかどうかは、その子をめぐる強化と弱化(消去)のどちらが強いかによって決まるのだ。

舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊) p.36~p.37

【引用おわり】

 子どもが勉強する状況には、その行動にさまざま影響を与えるものがある。強化されることもあるし、消去されたり、弱化されることだってある。強化されれば、勉強をますますするようになり、勉強好きな子どもになるだろう。逆に、勉強が弱化するような状況におかれれば、勉強嫌いな子どもになってしまうのは間違いない。


 

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