組織内で規則破りがあった場合、上司が部下を叱るなどのペナルティーを与える。それが規則破りの直後でないと十分効果があるか疑わしい。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第39回目となる。
【引用はじめ】
60秒ルール(弱化の例)
〇 「叱られない」⇒「規則を破る」⇒「直後に叱られる」
△ 「叱られない」⇒「規則を破る」⇒「忘れた頃に叱られる」
弱化にも、60秒ルールは当てはまる。たとえば、規則を破るという行動を弱化しようと思ったら、破った直後に叱るのがよい。あとになって叱っても、行動を正す効果は低くなってしまう。
私たちは、規則破りを目にしたら、その場で叱っているだろうか?もしかすると、その場では叱りそびれ(結果的に黙認してしまい)、そのことをずっと気にしているうちに、あとになって、「あのときの、君のあの行動は、いけなかった」などと言ってはいないだろうか。
忘れた頃になって叱られても、本人としてはピンと来ないかもしれない。叱ったほうは、これでずっと抱えていた重荷を下ろせたような開放感を感じていいだろう。だが、このやり方では本人の行動は改善されにくいのである。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊) p.47
【引用おわり】
規則破りを弱化するためには、規則破り直後に叱るなどのタイミングとそのペナルティーのあり方などを考えなければならない。60秒ルールに則った対応こそが求められる。
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