喫煙行動が続くのはなぜだろう。この行動にも強化の原理が働いているのだろうか。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第17回目となる。
【引用はじめ】
強化の例
(直前)禁断症状あり⇒(行動)たばこを吸う⇒(直後)禁断症状なし
(直前)解放感なし⇒(行動)たばこを吸う⇒(直後)解放感あり
(直前)休憩なし⇒(行動)たばこを吸う⇒(直後)休憩あり
(直前)大人のイメージなし⇒(行動)たばこを吸う⇒(直後)大人のイメージあり
たばこを吸う行動にはさまざまな強化が働いている。たとえば、たばこを吸わずにいると、ニコチンの禁断症状が出る。たばこを吸うことで、その不快感から逃れることができる。また、禁断症状が出ていなくても、たばこを吸うことで、酩酊に近い解放感を感じるらしい。
さらに、たばこを吸うことで、休憩がとれるということもある。また、子どもが喫煙する大きな理由の一つは、たばこを吸うことで、大人のイメージが持てると感じている。
これだけの強化が働いている喫煙という行動は、なかなかやめられない。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊) p.23~p.24
【引用おわり】
たばこを吸うのはなぜか。たばこには害があり、吸い過ぎると「肺がん」のリスクが高まる。他の人にも迷惑がられる。今では、喫煙場所以外は吸うことができなかったりしている。たばこの値段も高くなっている。
たばこを吸う人にとっては、こうした不自由な状況にもあるにもかかわらずやめられない。不自由な状況以上に、たばこを吸うのがいいといった状況があるのだ。たばこを吸う強化の原理が強力に働いているということである。
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