2022年4月6日水曜日

たばこを吸うことがやめられない

  喫煙行動が続くのはなぜだろう。この行動にも強化の原理が働いているのだろうか。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第17回目となる。

【引用はじめ】

 強化の例

 (直前)禁断症状あり⇒(行動)たばこを吸う⇒(直後)禁断症状なし

 (直前)解放感なし⇒(行動)たばこを吸う⇒(直後)解放感あり

 (直前)休憩なし⇒(行動)たばこを吸う⇒(直後)休憩あり

 (直前)大人のイメージなし⇒(行動)たばこを吸う⇒(直後)大人のイメージあり

 たばこを吸う行動にはさまざまな強化が働いている。たとえば、たばこを吸わずにいると、ニコチンの禁断症状が出る。たばこを吸うことで、その不快感から逃れることができる。また、禁断症状が出ていなくても、たばこを吸うことで、酩酊に近い解放感を感じるらしい。

 さらに、たばこを吸うことで、休憩がとれるということもある。また、子どもが喫煙する大きな理由の一つは、たばこを吸うことで、大人のイメージが持てると感じている。

 これだけの強化が働いている喫煙という行動は、なかなかやめられない。

舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊) p.23~p.24

【引用おわり】

 たばこを吸うのはなぜか。たばこには害があり、吸い過ぎると「肺がん」のリスクが高まる。他の人にも迷惑がられる。今では、喫煙場所以外は吸うことができなかったりしている。たばこの値段も高くなっている。

 たばこを吸う人にとっては、こうした不自由な状況にもあるにもかかわらずやめられない。不自由な状況以上に、たばこを吸うのがいいといった状況があるのだ。たばこを吸う強化の原理が強力に働いているということである。 

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