相手に声をかけたら、いつもこちらを見てくれる。それが急に声をかけても、こっちを見てくれなくなったら、どうするだろうか。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第23回目となる。
【引用はじめ】
消去は人の行動を文字通り「消し去る」わけだが、それは一直線に起こるわけではない。相手に声をかける、という行動を考えてみる。
今までずっと (直前)「相手がこちらを見ない」⇒(直後)「相手に声をかける」⇒(直後)「相手がこちらを見る。」
↓
それがいきなり (直前)「相手がこちらを見ない」⇒(行動)「相手に声をかける」⇒(直後)「相手がこちらを見ない」
普段、私たちが誰かに声をかけると、その人はこちらを見てくれる。逆にいえば、こちらを向いてくれるから、私たちはその人に声をかける。つまり、「こちらを見てくれる」ということが、声をかけるという行動を強化している。だから、声をかけてもこちらを見てくれない(無視する)人に対しては、こちらも声をかけなくなる。
しかし、いつもはこちらを見てくれる人が、今回は声をかけてもこちらを向いてくれなかったとしたら、もう一度、声をかけてみるのではないだろうか。そして、相手がこちらを見てくれるまで、何度か声をかけ続けたり、声を大きくしたりするだろう。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊) p.29~p.30
【引用おわり】
相手に声をかけても、今までこっち見てくれていた人が、見てくれなくなった。そうすると、見てくれるように何度も声をかける。また、大きな声で声をかける。それを繰り返す。それでも、見てくれなかったらあきらめて声をかけなくなる。声をかける行動は消去するまで紆余曲折がある。
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