仕事をするのは給料のためだろうか。仕事という行動の直後に給料がもらえることはない。給料が振り込まれるのは月末である。給料は60秒ルールにあてはまらない。そう考えると、給料のために仕事をしているわけではない。それでは、仕事を強化しているのは何だろう。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第38回目となる。
【引用はじめ】
「大幅昇給なし」⇒「きょうの目標を達成する」⇒「来年に大幅昇給あり」
仕事をするのは、「お給料をもらっているのだから当然だ」という人もいるだろう。それでは、給料がもらえるということは、どういう意味を持っているのだろう?
まず給料が振り込まれるのは月末だから、60秒ルールに当てはまらない。だが、それ以上に、月給というのは行動を強化する力を持たない。なぜなら、たいていの会社では、一生懸命に仕事をしてもしなくても、給料は毎月、同じ額が支払われるからだ。
だから、「毎月お給料をもらっているのだから、一生懸命に働くべきだ」というのは、建前論としては正しくても、行動分析学的には必ずしも正しいとは言えないのである。それよりも、人が怠けずに働くのは、実際には達成感を感じられるから(心地よさを感じる)とか、上司に睨まれずに済むから(嫌なことを避けられる)とか、クビになる可能性が減るから(不安から逃れられる)といったことなのではないだろうか。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊) p.44~p.45
【引用おわり】
私たちは、給料をもらっているから一生懸命働いているわけでない。それよりも、仕事をすることで達成感が得られた、上司から認められたなどが直接の原因である。
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