世の中の規則違反などに対しては、弱化しなければないことがある。叱ったり、罰したりすることである。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第33回目となる。
【引用はじめ】
(直前)叱られない⇒(行動)規則を破る⇒(直後)叱られる
(直前)罰せられる不安なし⇒(行動)規則を破る⇒(直後)罰せられる不安あり
自分はできるだけ強化を使って人や自分をマネジメントしたい、弱化を使いたくない、思う方がおられるかもしれない。たしかに強化は行動の後に心地よさを感じさせることだから、強化する側も気持ちが良い。一方、弱化では人の行動の後に、その人に嫌な気分を味わわせるわけだから、必ずしもお互い気持ちのいいものではないかもしれない。
だが、世の中には弱化しなければならない行動がある。たとえば各種の規則違反である。交通法規はもちろん、仕事に関する法令順守、また人として守るべき社会的規則など、私たちの周りにはたくさんの規則がある。これを徹底させるには、守ったら強化するだけでなく、破ったら弱化することも併せて行わなければならない。だから、規則を破ったらその場で叱られるとか、「これをしたら罰を受ける」という不安を持たせるなどの方策が必要なのである。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊) p.38~p.39
【引用おわり】
叱ったり、罰したりすることは、気分は良くない。でも、そうしたことも必要な場合がある。規則違反が世の中でまかり通れば、秩序が保たれなくなる。ルールが守られたら強化され、守られなかったら弱化されなければならない。
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