母の日に子ども達が花を贈る。上司が残業している部下に缶コーヒーを差し入れする。感謝の気持ちを花や缶コーヒーで表している。花も缶コーヒーもトークンと言っていい。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第90回目となる。
【引用はじめ】
母の日や父の日に贈られる花なども、トークンとしての意味合いのほうが花そのものの価値よりも大きいのではないだろうか。この場合の花は、子どもからの「感謝の気持ち」を象徴するものであるからだ。同様に、遅くまで残業している部下に、上司が「ご苦労さん」と言いながら缶コーヒーなどを差し入れすることがあるが、この場合の缶コーヒーも感謝や称賛の「しるし(トークン)」である。
トークンは、感謝や称賛といった見えないものを「見える化」できる特長がある。物自体に心を込めて、相手に届けることができる。だから、「ありがとう」という一言とともに花を渡すことは、無形の言葉だけのときに比べ、有形のものも加わっている点で、相手に与える心理的効果がより大きくなる。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.100~p.101
【引用おわり】
行動を強化するために、トークンを用いるとその強化力がさらに増す。花や缶コーヒーといった何気ないものである。それでも、認めてくれていることが目に見えてわかる。行動に対する強化がプラスアルファされるのだ。ちょっとした心遣いが効果的である。トークンの優れた点である。
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