覇気がない部下について、挨拶も満足にできないと上司は決めつける。それはなぜだろう。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第98回目となる。
【引用はじめ】
部下が「覇気がない」ことを行動的に解釈してみると、その一例として「挨拶しない」ということです。挨拶をしない理由をABC分析してみよう。
【A:先行条件】 上司を見かけたときに
【B:行動】 挨拶すると
【C:結果】 嫌なことはあっても良いことはない
挨拶をしても無視されることがあります。無視されるということは、消去が行われています。
挨拶すると上司に嫌な目つきでジロリと睨まれる。これは弱化にあたります。
また、「上司に挨拶すると、仕事についてあれこれ突っ込んで聞かれるので面倒だ」ということもあります。これも弱化です。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.113~p.114
【引用おわり】
挨拶もしない部下について、上司はどう対応しているのだろうか。今まで、部下の挨拶に対してしっかり強化していたのか。挨拶の行動は、その直後に強化しなければ消去や弱化してしまう。挨拶をしなくなるのである。挨拶した直後、上司が何の反応もしない、睨まれている感じがしたり、嫌なことを聞かれたりとなれば、部下の挨拶は減っていく。挨拶に対して、消去や弱化が働いている。上司も無意識にやってしまっているのだが、なぜ部下は挨拶しないのだと「個人攻撃」してしまう。結局は、覇気がない部下だとの決めつけになってしまう。
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