部下が覇気がなかったらどうするか。覇気がないというのは、どういうことか、行動的に明らかにする。さらに、覇気のない具体的な行動が続いている状況を明らかにする必要がある。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第96回目となる。
【引用はじめ】
覇気がない部下に覇気を持たせるためには、挨拶をする、明るい表情をする、発言する、仕事を全速力でする、という行動を身につけさせることが課題です。そのためにはどうしたらよいか。
「挨拶しろ」「明るい表情をしろ」「発言しろ」「仕事をもっと速くしろ」ということでしょう。これは、「行動のきっかけとなる刺激」の言語的指示です。言語的指示は行動を引き出します。しかし、言語的指示だけでは部下の行動変化を持続させることはできません。行動直後の強化がないからです。
もう一つ考えておかなければならないのは、その部下が今なぜ、そのように振る舞っているのかということです。まず今の行動についてどのような強化・消去・弱化が働いているのかを現状分析することが、改善策を考える前にすべきことです。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.111~p.112
【引用おわり】
挨拶が満足にできない部下に対して、「しっかり挨拶しろ」と言うと一時的には挨拶するだろう。しかし、その程度では続けて挨拶するようになるとは思えない。かえって、部下はそんなことを言う上司を避けたりするようになるかもしれない。
なぜ、部下は挨拶することができないのかを、現状分析することである。部下の挨拶しない状況において、強化・消去・弱化などの行動原理がどのように働いているかを分析するのである。
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