部下が上司に対して、「挨拶しない理由」を考えてみよう。部下だけの問題かということである。上司も部下に対してどんな対応がなされているか、ABC分析してみると意外な結果が明らかになる。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第99回目となる。
【引用はじめ】
「挨拶をしない理由」をABC分析すると次のようになります。
【A:先行条件】 上司を見かけたときに
【B:行動】 挨拶する
【C1:結果】 無視される(消去)
【C2:結果】 ジロリと睨まれる(弱化)
【C3:結果】 仕事について追及される(弱化)
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.115
【引用おわり】
部下が挨拶したとき、上司はどんな態度でいるか。無視したり、睨んだり、仕事のことで追及したりすると、部下も上司に挨拶するどころか、避けようとする可能性が高くなる。上司はそのことに気付いていない。当たり前と思っているから最悪である。自らに問題があるとは考えてもいない。部下の挨拶する行動を、上司は消去、弱化しているのだ。部下が挨拶できないのは、上司の対応のしかたにも大いに問題があるのである。
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