職場において、「新しいアイデア」に対して、すかさず「できない理由」を述べる人か出てきて、そうした意見が主流となってしまう。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第80回目となる。
【引用はじめ】
行動を変えるために直後の結果をコントロールするやり方だけでなく、他の方法もある。たとえば、誰かが何か新しいアイデアを考え出すと、別の誰かが「できない理由」を述べ、アイデアが没になってしまうというものがある。
一見すると、その「できない理由」はもっともらしく、万人を納得させるに足る力を持っていることも多い。だから、できない理由を述べる人の方が組織では尊敬されることもある。それは、「できない理由を述べる」という行動が強化されていることになる。
A(先行条件)新しいアイデアに対して⇒B(行動)できない理由を述べる⇒C(結果)周囲が感心する
上記のようなABC分析が成立している。こういう職場では、新しいアイデアが提案されたときには、よってたかってみんなが「できない理由」を探そうとしてしまうのである。それでは、創造的な仕事などできるわけがない。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.92
【引用おわり】
「できない理由」によって、新しいアイデアがつぶされる。創造性に欠ける組織はそうした傾向が強い。「できない理由」を述べることが強化される組織になっている。これでは、組織として新たなものを生み出すことはできない。
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