職場における職員の行動を変えるために、その行動の直後に好子や嫌子などによって、強化したり、弱化するやり方を学んできた。そうしたやり方以外の方法もある。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第81回目となる。
【引用はじめ】
行動を変えるために直後の結果をコントロールするやり方だけでなく、他の方法もある。
A(先行条件)新しいアイデアに対して⇒B(行動)できない理由を述べる⇒C(結果)周囲が感心する
上記のように、「できない理由を述べる」という行動が強化されている。こういう職場では、新しいアイデアが提案されたときには、よってたかってみんなが「できない理由」を探そうとしてしまう。それでは、創造的な仕事などできるわけがない。「できない理由を述べる」という行動を、強化ではなく消去もしくは弱化することが考えられる。
だが、できない理由を述べなくなったというだけでは、創造的な職場ができたことにはならない。ここではむしろ、新しいアイデアが提案されたとき、そこに現実上の難点があったとしても、こうすればできるという「できる方法を述べる」ようにみんなを変えるのである。
ABCのB(行動)に着目し、問題行動を減らすとともに望ましい行動を強化することを、代替行動の強化という。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.92~p.93
【引用おわり】
問題となる行動が続いていたら、それとも異なる望ましい行動をやることで、問題行動をしなくなるようにする。問題行動の代わりなる望ましい行動を強化するやり方である。問題行動に代わる代替行動を強化するのである。
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