私たちは明日のことを考えて不安になったり心配したりする。逆に、明日はいいことがありそうと期待を膨らませたりする。しかし、こうしたことって、人間以外の生物にはないことだ。なぜこうしたことが人間には可能なのだろう。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第92回目となる。
【引用はじめ】
あらゆる生き物の中で、人間だけが明日のために今日を生きることができる。では、なぜ人間だけがそれをできるのだろう?そこには、ルール支配行動というものがある。
たとえば働く人が仕事をがんばるのは、その直後に得られる達成感や相手の笑顔に加え、当然ながら有形無形の報酬への期待がある。目標を上回る業績をあげれば賞与が増えるとか、昇給するとか、昇進・昇格するとかいったことである。このように、「○○すると□□が起きる」という、行動と結果のセットである決まりごとを行動分析学ではルールという。
ルールには、明文化されたものも、慣習的なものも(見えないルール)あるが、内容が明確で、適用されることが確実なものほど行動に与える影響は大きい。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.102~p.103
【引用おわり】
今のことがうまくいかない。でも、次はうまくいくはずと反省することができる。こうしたやり方のここが問題だった。だから、問題だったやり方でないやり方を試みる。行動の直後がどんな状況だったか振り返って、より良いやり方を工夫する。いい結果を生み出すよう努力する。その時有効なのがルールである。ルールによっていい結果を生み出すことができるのが人間の優れた特徴である。
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