2022年6月4日土曜日

「空気を読む」をABC分析すると

   「空気を読む」とはどういうことか。逆に、「空気を読まない」というのはどういうことか。それを、ABC分析で考えると、分かりやすい。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第75回目となる。

【引用はじめ】

 人は無意識のうちに、先行条件(A)によって行動を使い分けている。それは、「空気を読む」という言葉で表される。たとえば、職場において、仲間内では突拍子もないアイデアを言う人であっても、偉い人が集まる会議ではたいていは黙っておとなしくしているだろう。それが俗に「空気を読む」と言われることだが、行動分析学を使えばきちんとした理論的説明がつけられる。

 つまりここでは、働く人自らが先行条件(A)と結果(C)の関係を学習し、その職場における常識的行動を学習しているのである。逆に、「その場の空気を読まない」人というのは、要するに先行条件が何であっても同じ行動をしてしまう人のことである。こうした人は、ABCの関係を学習しない(またはできない)ために、自らを職場に適応させることが難しくなっているのである。

舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.85~p.86

【引用おわり】

 職場において、うまく適応することができるかどうかというのは、職場内の「空気」が読めるかどうかによる。上司に対してどう行動するか。同僚に対してどう行動するか。良くわきまえた行動が必要となる場合が多い。その場、その時においてなされた行動が、どう受け取られたかで、「空気」が読めたかどうかがわかる。 

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