職場によっては、前例が優遇され変化をあまり歓迎されないといったところがある。なぜそうした雰囲気が生み出されるのだろうか。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第76回目となる。
【引用はじめ】
私たちの周りには、さまざまなABCがある。しかしそれは、各々の職場や家庭によって、ある一定の傾向を持っている。
例えばある職場では、次のようなことが起きている。
A(先行条件)偉い人が集まる会議で⇒B(行動)突拍子もないアイデアを言うと⇒C(結果)白い目で見られる
A(先行条件)前例がないときに⇒B(行動)試しにやってみると⇒C(結果)たしなめられる
A(先行条件)前例のある仕事については⇒B(行動)前例通りに進めれば⇒C(結果)誰からも文句を言われない
するとその職場では、公式の場で誰もユニークなアイデアを口にせず、前例通りの仕事しかしなくなる。つまり、「保守的な文化」が生まれる。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.86
【引用おわり】
保守的な職場というのは、それなりの行動があるからこそ生み出される。「突拍子もないアイデア」に対しては、消極的である。「前例にないこと」に対しては、否定される。「前例通りにやる」と、問題にされない。ABC分析してみて、それを引き起こす理由が分かってくる。組織文化が保守的で、革新性に欠ける理由なども明らかにすることができるのだ。
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