社外の研修によって、挨拶を大きな声でできるようになった。それで喜んでいても、職場に戻ったら、いつものように元気のない挨拶に戻ってしまった。なぜこんな風になってしまうのだろう。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第358回目となる。
【引用はじめ】
- 社外の厳しい研修などに社員を送り込むと、たしかにほとんどの人が大きな声で挨拶するようになります。
- ですがそれは、たとえば以下のような強化のされ方をするわけです。
- 大きな声で挨拶すれば、講師に怒鳴られなくて済む
- 大きな声で挨拶すれば、罰をくらわずに済む
- きちんと挨拶できる人間になれば、手段は多少荒っぽくてもいいではないかという考えもあるかもしれません。
- ですが、目的は手段を正当化するという考え方は危険です。
- 同時に、研修が終わり会社に戻ると、講師から怒鳴られることはないので挨拶をしなくなる可能性があります。
- まずは、お互いに気持ちの良い方法で行動変化を導ける工夫を試みたいものです。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.125~p.126
【引用おわり】
社外の厳しい研修では、挨拶のしかたが徹底的にしこまれる。大きな声で挨拶するように強要されることもある。そうした強制的なやり方を回避するために、派遣された社員も必死で大きな声で挨拶することになる。しかし、職場に戻れば、そんな強制的に挨拶することを求められるわけでない。いつものやり方にいつの間にか戻ってしまう。場面が変われば、強化のしかたも変わるからである。
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