2023年5月21日日曜日

なぜ悲観的な発言をするのか

 ここで述べられている管理職は、悲観的な発言をしがちである。なぜこうも悲観的なのか。新製品が売れない、クレームが続いていたらどうするかなど発売前に悲観的なことばかり言う。どうしてなんだろう。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第423回目となる。

【引用はじめ】

  • ある管理職は、悲観的な発言をするという問題があります。
  • たとえば新製品を発売するときも、彼は「お客様に受けないのではないか」「期待するほど売れないのではないか」「品質問題を起こすのではないか」などと言っていました。
  • なぜ、彼はこのようなことを言うのでしょうか。
  • 行動分析学的に言えば、彼は悲観的な発言するという行動が強化されていると言えます。
  • 強化とは、行動の直後に、「心地よさを感じる」「苦しみから逃れられる」といった経験をすることです。
  • ということは、彼は悲観的発言の後で、何らかの心地よさを感じたり何らかの苦しみから逃れられたりしていると思われます。

舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.172~p.173

【引用おわり】

 悲観的な発言によって、この管理職は強化されている可能性がある。自分の発言が的を得たことだったら、ほら言った通りとなる。こうした経験が過去にあったからこそ、悲観的な発言をするのだ。しかし、かつての悲観的な発言は偶然にも当たった可能性があるのかもしれない。その経験が今度も当たるとは限らない。もっと客観的な視点で物事をとらえているかどうかにかかっている。

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