ある課長は、部下のことを褒めようとしない。褒めても何の効果もないと思っている。褒める行動が消去され弱化されている。褒めても強化されないのだ。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第428回目となる。
【引用はじめ】
- ある課長が、部下を褒めないというのはなぜか。
- これは、部下を褒めるという行動が消去または弱化されているからです。
- なぜ部下を褒めないのか、この課長に聞いてみると、このような答えが返ってきました。
- 「褒められたくて仕事をするようではプロとは言えない」
- 「褒められても、部下はちっとも嬉しそうな顔をしない」
- 「褒めてみたら、『自分がやるしかないでしょう』と、課長である自分の頼りなさを皮肉られた」
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.176~p.177
【引用おわり】
この課長は部下を褒めることで強化されることがなかった。そもそも褒められて仕事するなんて間違っている。褒められなくても、しっかり仕事するのが当たり前との思いがある。部下にしても褒めてみたところで大して嬉しそうにしない。部下なんかこの仕事は自分にしかできないみたいな態度をしている。そんなこんなが重なって、部下に対して褒める行動はないのである。
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