悲観的な発言することで、自分の立場が有利になる。それが、悲観的な発言を繰り返す。悲観的な発言が強化される状況にあるのだ。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第424回目となる。
【引用はじめ】
- ある管理職が、新製品を発売する際に、「これは、あまりお客様には受けないのではないか」と言ったとしましょう。
- 果たしてほんとうにお客様に受けるか受けないかは、現時点では誰にも確実なことは分かりません。
- ですが、もし発売後、実際にお客様に受けなかったとしたら、彼は「やはり予想通りだった」と自分を正当化することができます。
- お客様に受けないということは良くないことですが、たとえそうだったときでも、自分は正しかったと主張できる一種の保険をかけられるわけです。
- そして、予測が外れてお客様の受けが良かったときには、期待以上に業績が上がったという点をクローズアップすればよいわけです。
- どっちに転んでも損はない。
- 逆に、楽観的発言をしていたら、どうなるでしょう。
- 「きっとこれ、お客様に受けますよ」などと言っておきながら実際には受けなかったとしたら、予測違いを責められるのではないでしょうか。
- つまり楽観的発言には、この後に起こることへの不安感が伴うわけです。
- だから悲観的発言をすれば、こうした不安感から逃れることができるのです。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.173~p.174
【引用おわり】
管理職にとって、悲観的な発言が強化される状況は、組織上発展を阻害する危険性がある。個人的には悲観的発言によって、売上がうまくいかなかったなど予想通りとなり、予想が当たったなどとなる。個人には良いことでも、組織としては問題である。悲観的発言が促されない状況づくりが必要である。
0 件のコメント:
コメントを投稿