行動分析学における行動の定義は「死人ができないことすべて」である。「死人テスト」がパスできるようにするには、「する/しない」をひっくり返すといい。しかし、それだけではうまくいかない場合もある。その時はどうするか。その内容について、島宗リーダー本による第75回目の引用である。
【引用はじめ】
部下にして欲しいことや欲しくないことが、行動として定義できているかどうかを確認するのが「死人テスト」です。死人テストをパスできない場合は、まずは行動の「する/しない」をひっくり返せないかどうかを考えてみましょう。
「する/しない」をひっくり返すのには、言葉尻だけでなく、内容まで吟味すべき場合もあります。たとえば、「工具を使ったまま床に放置している」をひっくり返すと「工具を使ったまま床に放置していない」になり、やはりしっくりときません。何をすべきなのかわからないからです。
そこで、このような場合には、何をすることが正解なのかをもう一度考えます。部下に何ができるようになって欲しいのか、チームにとって増えて欲しいのはどのような行動なのかを考えて決めるのです。使用後に工具を元の場所に片づけることが正解なら、標的行動は「工具を使い終わったら、元の場所に戻す」となります。このとき、そもそも"元の場所"がどこなのかはっきりしていなかったり、棚が満杯で置き場所がないことに気づいたりするかもしれません。それこそが工具が床に放置されている原因かもしれません。
(島宗理著 「部下を育てる!強いチームをつくる! リーダーのための行動分析学入門」2015年 日本実業出版社刊、p.45~p.47 )
【引用おわり】
「標的行動」を決めるときに留意しなければならないことは、「死人テスト」にパスできるかどうかをまず試す。「する/しない」をひっくり返してみるのだ。しかし、それだけではうまくいかない場合もある。その場合は、標的行動の内容に踏み込んで、吟味する必要がある。標的行動をより具体的な表現に言い換えるのである。
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