行動分析学における行動の定義は「死人ができないことすべて」である。「死人テスト」がパスできても、その内容が曖昧で具体性に乏しかったら混乱しかねない。そうした内容について、島宗リーダー本による第76回目の引用である。
【引用はじめ】
行動化に慣れてくると、ふだん部下に対して何気なくしている曖昧な指示に気づけるようになります。たとえば「もっと丁寧に仕事をしなさい」は、そのように指示する上司にとっては自明の事でも、言われる部下にとっては、何をどうすればいいのかわからないことが多いものです。
それでも「はい、わかりました」と部下は答えます。何をすべきかわかったからではなく、そう答えないと上司からの叱責が続くからです。
「報告書を書き終えたら一度印刷して、それを読み直して誤字脱字がないかどうか確認し、修正してから提出して下さいね」と行動化した指示を一度試してみて下さい。これなら、次の報告書が提出されたときに、「印刷してみた?」とか「読み直してみた?」と、一つひとつの行動の遂行を確認できますし、実行されていて誤字脱字がなくなっていたら「丁寧にできたね。ありがとう」と承認することができます。
(島宗理著 「部下を育てる!強いチームをつくる! リーダーのための行動分析学入門」2015年 日本実業出版社刊、p.47 )
【引用おわり】
死人テストにパスできるように行動化に努めることが重要なことはわかった。さらに、行動とすべきその内容が具体的でなければならない。部下に対して指示するときは、特にそうだ。相手は分かっているだろうとの思い込みで、誤解が生ずる場合があるからである。
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