行動分析学における行動の定義は「死人ができないことすべて」である。「死人テスト」がパスできるようにするには、「する/しない」をひっくり返す。しかし、それだけではうまくいかない場合はどうするか。その内容について、島宗リーダー本による第74回目の引用である。
【引用はじめ】
部下にして欲しいことや欲しくないことが、行動として定義できているかどうかを確認するのが「死人テスト」です。死人テストをパスできない場合は、まずは行動の「する/しない」をひっくり返せないかどうかを考えてみましょう。たとえば、「報告書を期限までに提出しない」は行動ではありません。死人は期限までどころか、いつまでたっても提出しないからです。そこで、「する/しない」をひっくり返してみると、「報告書を期限までに提出する」となり、死人テストをパスできます。
「する/しない」をひっくり返しただけでは、しっくりいかない場合もあります。たとえば、「顧客からクレームを言われると何も言えなくなってしまう」の「する/しない」をひっくり返すと「顧客からクレームを言われたら何か言う」になります。これなら死人テストはパスできますが、何を言ってもいいわけではありませんから、標的行動としては不適切です。
顧客からクレームを言われたときにすべきことを決めておかなければなりません。たとえば、「顧客からクレームを言われたら、すぐに"申し訳ございません"と言う」というように。
(島宗理著 「部下を育てる!強いチームをつくる! リーダーのための行動分析学入門」2015年 日本実業出版社刊、p.45~p.46 )
【引用おわり】
「死人テスト」によって、行動を明確にすることができる。「~しない」といった表現は「~する」とすればいい。しかし、それだけではうまくいかないケースもある。その時は、明確な行動となる表現に言い換える必要がある。引用内の例のように。標的行動などが「死人テスト」をパスするかどうかというのは、応用範囲が広い。
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