中田さんは「部下に話しかける」という標的行動について、ビデオクリップ法によって、行動の直前と行動の直後の一連の流れを行動分析した。そうした内容について、島宗リーダー本による第93回目の引用である。
【引用はじめ】
中田さんの「部下に話しかける」という標的行動の直前の状況や出来事の「先行事象(A)」(Antecedents)、その標的行動の直後の状況や出来事を「後続事象(C)」(Consequences)をABC分析すると次のとおりになります。
先行事象(A) 「部下からの情報が必要なときに」「部下の席で」
標的行動(B) 「部下に話しかける」
後続事象(C) 「部下の仕事が中断する (↓) 」「部下が戸惑った表情をする (↓) 」「他の部下がざわつく (↓) 」「部下から情報が得られる (↑) 」
後続事象それぞれには括弧をつけ、矢印を書き入れ、その後続事象が将来の標的行動にどのように影響するか推測して示します。将来その行動を増やすと予測するなら上向き矢印(↑)を、減らすと予測するなら下向き矢印(↓)を、影響しないと予測するなら横線(ー)を、予測不可なら疑問符(?)を記入しておきます。
(島宗理著 「部下を育てる!強いチームをつくる! リーダーのための行動分析学入門」2015年 日本実業出版社刊、p.57~p.58 )
【引用おわり】
中田さんの「部下に話しかける」という標的行動の直後の後続事象によって、将来その行動を増やすか、減らすかを予測してみる。「部下の仕事が中断する」と今後の「部下に話しかける」行動は減る可能性が高い。逆に、「部下から情報が得られる」となれば、標的行動は増える可能性が高まる。このように、先行事象(A)、標的行動(B)、後続事象(C)とABC分析すると、標的行動が今後どのように変化するか予測しやすくなる。
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