2024年5月21日火曜日

島宗リーダー本238「不機嫌なお客さん」

 愛想よく笑顔で元気にお客さんに挨拶がうまくできないのはなぜか。レジ係としては、問題である。笑顔で挨拶する随伴性がないからだ。どんな消去や弱化の随伴性があるかを明らかにする必要がある。そうした内容について、島宗リーダー本による第238回目の引用である。

【引用はじめ】

 レジ係はお客さんに笑顔で「こんにちは、いらっしゃいませ」と挨拶することになっています。主婦のパートには愛想よく挨拶できているスタッフが多いが、学生アルバイトの大半が、お客の顔も見ず、無表情で、聞こえないくらい小さな声で挨拶しています。

 アルバイトの学生を叱る前に、レジの様子をよく観察すると、そこにはいくつかの随伴性がある。もしくは、あると思った随伴性がないことに気づくはずです。

 アルバイトが挨拶しても、挨拶し返してくれるお客さんはほとんどいません。消去の公式です。

 待ち行列が長くなりがちな夕方の時間帯は、不機嫌そうな表情をしているお客さんも多いです。不機嫌そうなお客さんに愛想よく挨拶してもそのお客さんの表情が変わるわけではありません。もっと不機嫌になるかもしれません。だとすると、弱化です。

(島宗理著 「部下を育てる!強いチームをつくる!リーダーのための行動分析学入門」2015年 日本実業出版社刊、p.128~p.129)

【引用おわり】

 レジ係がお客さんに対して、笑顔で挨拶をするといった標的行動が決まっていても、それをできない随伴性にさらされている。レジ係がお客さんに挨拶しても、ほとんど挨拶してくれない。これでは、挨拶も消去されることになる。レジの行列が長くなれば待ち時間も長くなって、お客さんも不機嫌になる。挨拶したぐらいで、お客さんの機嫌が直るわけでない。挨拶することが弱化されることになる。これでは、挨拶を笑顔でするなんてことがだんだんできなくなってくる。 

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