お客さんに対して、笑顔で「こんにちは、いらっしゃいませ」という挨拶ができない。レジ係としては、問題である。何がそうさせているのか。必ずしも、そうした行動ができないわけでない。個人同士で挨拶をかわすことはできているのだから。レジ係として、多忙な状況に追い込まれると挨拶もおろそかになるのである。そうした内容について、島宗リーダー本による第240回目の引用である。
【引用はじめ】
レジ係はお客さんに笑顔で「こんにちは、いらっしゃいませ」と挨拶することになっています。主婦のパートには愛想よく挨拶できているスタッフが多いが、学生アルバイトの大半が、お客の顔も見ず、無表情で、聞こえないくらい小さな声で挨拶しています。
ときどき、近所の知り合いでしょうか、アルバイトの学生を個人的に知っていそうなお客さんが話しかけています。でも学生はその列の後方のお客さんの「早くしてよ」と言わんばかりの様子を気にしてか、すげなくしてしまっているようです。
閉店後、帰宅するときには「お疲れさまでした、またよろしくお願いします」と店長には笑顔で挨拶しています。ですから、笑顔で挨拶する行動が未学習というわけではないようです。
つまり、笑顔で挨拶する行動が実行されないのは、行動を強化する随伴性がなく(消去)、むしろ弱化する随伴性があるからだということになります。随伴性がこのままだと、笑顔で挨拶キャンペーンなどをしてもその効果は持続しないはずです。
(島宗理著 「部下を育てる!強いチームをつくる!リーダーのための行動分析学入門」2015年 日本実業出版社刊、p.129)
【引用おわり】
レジ係の学生アルバイトは、笑顔で挨拶するのがうまくできない。それを促す随伴性がないためである。挨拶しても、お客さんは挨拶を返してくれない。それより、早くレジを終わらしてよといったお客さんの態度が見え見えである。レジ係は挨拶するという行動を消去し、弱化する随伴性にさらされているといっていい。
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