新入社員教育の質は、教える側の力で決まる。経験豊かな社員でも「教え方」を学ばなければ、伝わり方に差が出る。社内講師がトレーナーとしての技能を身につけることが、組織の成長を支える。
【引用はじめ】
新入社員教育のメイン部分は、既存社員が社内講師となって行う。その場合、その会社での仕事を一番わかってるのは社員自身だからだ。しかし、社内講師に「教え方を教えて」いる会社は多くない。たとえば、指導役となる社内講師は経験豊かな営業社員があたる。だから新入社員に「何を」教えるかは、社内講師に任せも心配いらない。だか問題は、それらを「どのように」教えるかだ。
具体的な営業の仕事を教えるにしても、新入社員には、まず仕事のプロセスを体ではなく頭で一通り理解させる必要がある。「俺の背中を見て学べ」という教育方針が最も功を奏するのは、実はある程度の力をすでに持っている人が相手のときである。まったくの素人に対してそのような教育をすると、第一に仕事全体を覚えるまでに時間がかかって仕方がないし、第二に先輩の良いところも悪いところも学んでしまう恐れがある。
新入社員は、どのような初期教育を受けるかによって、会社に対するエンゲージメント(愛着心)を大きく変える。この会社がよい会社であると思うか、求められる以上に努力しようと思うか、簡単に辞めずに頑張ろうと思うかどうかは、相当程度ここにかかっているといっても過言ではない。
したがって、社内講師といえども「教えるプロ」としてもの基礎技能を身につけてもらうために、会社が「トレーナー・トレーニング」を施すことが重要とされている。
(舞田竜宣・杉山尚子「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」日本経済新聞出版刊 2008.12.16, p.241~p.242)
【引用おわり】
「何を教えるか」だけでなく「どう教えるか」が人を育てる鍵となる。教える力を磨くことで、新入社員の意欲と会社への愛着が高まる。社内講師の育成は、組織の未来への投資である。
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