覇気のない部下が適時適切に挨拶するようにさせたい。そのために挨拶するよう促す工夫はどうあるべきか。挨拶したらその直後に褒めるなどの強化するのがいい。
しかし、それだけでは順調に挨拶するようになるかというとなかなか難しい。
そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第91回目である。
【引用はじめ】
強化の工夫は、全て行動の後に行います。つまり、対象者が挨拶しない限り、強化はできません。そこで、行動直後の強化に加え、行動の前にも、行動を促すきっかけを作ってみることです。
たとえば、
- 朝礼などで「お互いに、きちんと挨拶しよう」と職場のみんなに呼びかける
- 元気でいい挨拶をしている人を、対象者が見聞きできるところで褒める
- こちらから声をかけ挨拶する
特に2と3は、対象者から模倣という行為を引き出します。2では、褒められている人を見て、その人の行動を真似しようとします。3では、挨拶したあなたの行動を、相手が真似ることになります。そうやって挨拶という行動を引き出したうえで、強化するのです。
このように、きっかけ⇒行動⇒強化の三本柱で考えるのが、行動変革の一つの「型」とも言えます。これを行動変革フレームワークと言います。
舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.126
【引用終わり】
挨拶する行動を促すには、挨拶したらその直後に強化することは最も大事である。しかし、いつ挨拶するか分からずそれを待ってなどということになりかねない。挨拶をしやすいきっかけをつくるなども大事である。元気に挨拶している人を、みんなの前で褒めたり、相手に対してこっちから挨拶をするのである。挨拶を促すきっかけも必要だ。
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