行動を強化するとはどういうことか。具体例で示す。「部下が上司に相談に行く」ことがどのように強化されるかについて、以下、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第10回目となる。
【引用はじめ】
強化の例
(直前)上司の笑顔なし⇒(行動)部下が上司に相談に行く⇒(直後)上司の笑顔あり
(直前)問題が解決しない⇒(行動)部下が上司に相談に行く⇒(直後)問題が解決する
上司に相談に行くと、「お、どうした?」と、いつも笑顔で迎えてくれる。そんな上司に対しては、部下も相談に行きやすいと感じ、実際によく相談に行くだろう。これは、上司の笑顔が部下に心地よさを感じさせ、部下の「相談に行く」という行動を強化しているのである。
また、上司に相談すれば、問題が解決し、楽になる。そういう状況を何度も経験すれば、部下は、何かあったときに、一人でいつまでも問題を抱え込んだりせずに、上司に相談しようとするだろう。これも、問題が解決するということが、部下を苦悩から解放するので、部下の「相談に行く」という行動を強化しているのである。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊) p.19
【引用おわり】
「部下が上司に相談に行く」ことを強化するのは、行動の直後がどうなるかによる。「上司が笑顔になる」と、部下は上司が受け入れてくれていると思う。また、相談することで、「問題が解決する」となれば、相談したかいがあったと思う。部下にとっては良いことづくめ。そうしたことが続くことで、部下の上司への相談する回数が増え、信頼が深まることになる。
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