Bさんは営業経験が長く、新しい職場に転職しても、今までの経験を生かすことができる。製品の説明なども問題なくこなすことができた。しかし、相手のニーズに合った提案がなかなかできず、契約をとるまでに至らないケースも多かった。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第306回目となる。
【引用はじめ】
- Bさんは、中途入社してあまり間もない営業担当者だった。
- 彼は、営業としての経験は長いので、初対面の相手との接し方は心得ているし、見知らぬ人と会う抵抗感もない。
- そして、自社と製品・サービスの紹介も、相手の視点に立った効果的な説明ができる。
- ただBさんは、この業界での経験はまだ比較的浅いため、こちらから一方的に話している間はよいものの、相手の話を聞く段になると、相手が何を言わんとしているのか正しく理解することが難しく、特に「行間を読む」(言葉に出ていないことを洞察する)ことに苦労する。
- だから、その後に続く提案も、相手のニーズにぴったりフィットするものを出すことがなかなかできず、最初は調子の良かった商談も、契約にまで結びつかないで終わってしまうことがよくある。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.80
【引用おわり】
いくら営業経験に慣れていても、新しい会社に転職した人が簡単に契約をとれるものでない。営業先のニーズをとらえることが難しかったりするからである。営業マンにとっての弱みを把握して、それなりの教育が必要となる。
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