営業活動において、新人が自ら「受注を得る」までには、長いプロセスを経ることになる。途中で挫折してしまう新人も出てくる。それが営業の厳しさだなんて、先輩たちから言われてもそれを素直に受け取れないだろう。そのために、チェイニングの活用は有効である。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第298回目となる。
【引用はじめ】
- 最後の行動から逆順に強化してゆくバックワード・チェイニングは、長いプロセスを順番にフォワード・チェイニングしてゆくのとはまた違った効果を生む。
- しかし実際の職場では、このようなことが必ずしも行われているとは限らない。
- 営業で言えば、先輩や上司が上得意を自分で囲い込み、新人には全くの新規開拓を担当させていたりする。
- 先輩や上司にとっては、自分も同じように苦労してきたのだから、後輩や部下もそうするべきだと考えているのかもしれない。
- だがそれでは、成長に時間がかかってしまう。
- また、できるようになる人と、途中で挫折してしまう人が出てしまう。
- 育成の「歩留まり」とスピードを考えるなら、フォワード・チェイニングと一緒にバックワード・チェイニングもやるべきである。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.75~p.76
【引用おわり】
営業において、最終目標である「受注を得る」ことが成し遂げられるまでの道のりを経験できるようにするには、バックワード・チェイニングを用いるのも有効な方法である。受注を得られるような前段まで営業が進められる状態になっているところに、新人が受注を取るだけの体験をさせるのである。先輩たちがこうした段取りをしてくれているのである。新人が最終段階だけの「受注を得る」ための成功体験をさせるのである。新人には、受注を取れたという嬉しさを味わうことができるのである。
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