新人にとっては、受注がとれるという経験は、とても大きな喜びである。もちろん、自らの力でとれるわけでなく、ベテランが受注がとれるまで段取りを行っていて、最後の入金の確認などの行動を新人に任せるのである。バックワード・チェイニングによって、最終的な行動を新人に任せて成功経験を積ませるのである。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第295回目となる。
【引用はじめ】
- リピート受注を得ることは、営業プロセスの最後にやっと出現する行動であるが、それ自体は比較的やさしい行動でもある。
- だから新人にやらせてもできるはずだ。
- 新人にはまずお得意様に行かせ、リピート受注をとってこさせる。
- そして褒める。これが強化になる。
- 正確なことを言えば、強化には60秒ルールがあるから、実際の強化は、「リピート受注を得たら、直後に「褒められるという期待感」が持てる」ということになる。
- だから、そういう期待が十分に持てるよう、何度も受注させてはそのたびに褒めるということを繰り返すか、あるいは非常に効果的な褒め方をする(たとえば、大きな声で、皆の前で褒めるなど)ことが必要である。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.74~p.75
【引用おわり】
新人には、受注を取ることの喜びを経験させて、勝ち味を覚えてもらう。受注を得ることができたという最終的な行動を繰り返して、次は営業の前段階「契約書を取り交わす」ことができる経験をさせる。こうやって、営業における必要な行動を逆に経験させて、営業のコツを学ばせるのである。バックワード・チェイニングによって、営業のやり方を効率的に身につけるようにさせるのである。
0 件のコメント:
コメントを投稿