強化の随伴性がなくなれば、行動は消去される。弱化の随伴性がなくなれば、行動は復帰する。標的行動を継続するためには、随伴性が必要である。そうした内容について、島宗リーダー本による第107回目の引用である。
【引用はじめ】
行動の実行に役立たない随伴性もあります。
流行のコーチング研修などを受講し、部下を褒めてみたら、部下の行動が見違えるように変わり、感激したという体験を持つ人もいるかもしれません。同時に、しばらくするうちに部下の行動が元に戻ってしまい、あの感動はなんだったんだ、やっぱり駄目なやつは駄目だと元の木阿弥になってしまった人もいることでしょう。
上司が褒めることで部下の行動が増えたなら(強化の公式)、上司が褒めるのをやめたら部下の行動も元に戻るのは自然の摂理です(消去の公式)。
これは、植木に水を与えなければ枯れてしまうのと同じくらい、行動の科学としてはあたりまえのことなのですが、必ずしも一般的ではない。
一度できるようになった仕事は、放っておいても、ずっとできるのがあたりまえだと思っていませんか?"継続は力なり"ということわざがあるくらい継続は難しいことです。随伴性なくして行動なしという厳しい現実を、このことわざが反映しています。
(島宗理著 「部下を育てる!強いチームをつくる! リーダーのための行動分析学入門」2015年 日本実業出版社刊、p.64 )
【引用おわり】
研修で学んできたことを部下に適用してみる。部下を褒めるなどの強化の随伴性を一時的に用いるのである。しかし、それがいつの間に元通りになってしまう。研修の結果は生かされない。それは、うまくいったからあとは強化の随伴性を用いなくてもいいとなるからだ。結局はその行動が消去されてしまう。標的行動を継続するには、強化の随伴性を続ける必要がある。
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