おぼれた経験があって、プールで泳ぐことに対する恐怖反応が著しかった。それを克服するために系統的脱感作法が用いられた。最初は、イメージトレーニングで、そしてだんだんと実際のプールによる実技で恐怖を取り除くことに成功した。そうした内容について、「パフォーマンス・マネジメント」による第68回目の引用である。
【引用はじめ】
水に対する恐怖をなくす計画として「系統的脱感作法」を用いた。
室内におけるイメージトレーニングは難なくこなすことができた。しかし、プールでの実習は難航した。本物の水を目の前に足はすくみ、心拍数は急激に上昇した。そんなとき、すぐにセッションを中止し、室内へ戻った。本人が落ち着いて、恐怖反応が無くなってから、またセッションを継続した。
もし恐怖反応がでそうになったら、南の島でイルカと泳いでいる自分をイメージするように指示した。できるだけ楽しく、リラックスしたイメージが思い浮かべるよう工夫した。
こうしたセッションを数回続けることで、本人はプールに腰まで浸かれるようになり、肩まで水がきても、水面に波がたっても大丈夫になり、最後には水中に潜ることもできるようになった。プールに対する恐怖反応が消えたのだ。
(島宗理著 「パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学」 1999年 開成出版刊、p.41)
【引用おわり】
恐怖反応を取り除くためには、あまり恐怖を感じられない場面から段階的に目的とする場面に近づくようにステップを組み立てる。もちろん、少しでも恐怖反応があったら、恐怖を感じないステップに戻って、落ち着いたら次の段階へ進む。そして、目的とする場面まで進んで恐怖反応を感じなくするのである。これが、系統的脱感作法である。
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