泳げない人にとって、 "ばた足で進む" のも難しい。それで、標的行動を "ばた足で12m進む" として、6つの達成基準を決めて練習をした。そうした内容について、「パフォーマンス・マネジメント」による第84回目の引用である。
【引用はじめ】
第二段階では "ばた足で12m進む" が標的行動として設定された。それが次のとおりである。
- 足は腿から、一定のリズムで動かす。
- 足を蹴るときは、最初は膝を曲げ、最後は伸ばす。
- 足首を常に伸ばす。
- 両手は前方に伸ばして重ねる。
- 肘を閉める。
- 頭の頂点を進行方向へ向け、2m先を見る。
練習は、毎回、前回までのおさらいをする。それから、支援者が手本を見せ、本人がやってみる。それを支援者が上記の6つの達成基準から評価して、すぐに指導する。だからアドバイスはすべて具体的になる。
「足首がきれいに伸びましたね。いいですよ」とか「足が膝からしか曲がってません。桃から動かすようにしましょう」と、誉めるにしても、間違いを指摘するにしても具体的だ。単に「いいですね」とか「だめ、だめ」というように、合格か不合格かだけを伝えるのではない。また、「流れるように足を動かして」のような抽象的な表現や、「体が沈みすぎないよう」のように、本人にとってはどうすればいいのかが分からないような指示も避けるようにした。
(島宗理著 「パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学」 1999年 開成出版刊、p.46)
【引用おわり】
標的行動を具体的に決め、6つの達成基準も明確なものにした。練習に際しては、おさらいを欠かさず、支援者による手本を示す。達成基準どおりになっているかどうかを行動の直後に評価する。うまくいけば強化する。うまくいってなければ、具体的なことばで指摘するのである。
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