「売り上げを増やす」は行動だろうか。常識的には、行動じゃないかと思いがちである。一見すれば、行動とみなされる。しかし、何を、どれぐらい、いつまで「売り上げを増やす」のか分からない。こうしたあいまいさが問題である。そのことに関する、石田本による第43回目の引用である。
【引用はじめ】
行動を定義するのに、MORSの法則が用いられる。この法則は「具体性の原則」と呼ばれるもので、以下の四つの条件から成り立っている。
- Measured (計測できる)
- Observable (観察できる)
- Reliable (信頼できる)
- Specific (明確化されている)
特に重視しなければならないのは「観察できる」ということだ。そして、誰が見ても同じ行動をとっていると認識できること、数値化し、計測できるようにすることである。
例えば、「売り上げを増やす」は行動だろうか。MORSの法則にあてはめてみると、四条件のいずれも満たしていない。したがって行動とは呼びがたい。売り上げを増やすことを行動にするには、表現を変える必要がある。たとえば「一年間でスペシャルメニューのオーダーを100件とる」とすればいい。
(石田淳著「短期間で組織が変わる行動科学マネジメント」p.85~p.86 2007年 ダイヤモンド社刊)
【引用おわり】
「売り上げを増やす」だけではあいまいさが残っているので、行動とはみなさない。明確に行動として「売り上げを増やす」ことを定義すれば、「売り上げを増やす」方策が明らかになる。それによって、その行動の変容を視覚化できる。行動がより良く変わったか、逆に悪くなったか、さらにほとんど変化ないかを明らかにするのである。
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