行動を増やしたり、減らしたりする手順として、行動分析で主張するのは5つのやり方がある。これを理解すると、行動はどのように変化するのか分かる。そのことに関する、石田本による第52回目の引用である。
【引用はじめ】
自分で行動を増やしたり減らしたりするのは、五つの手順「リインフォース( R+) 」「リインフォース(R-)」「罰(P+) 」「ペナルティ(P-)」「行動の消去(E)」によってである。この手順が「自発的な意欲」つまり「行動の反応率」に大きく影響するのである。リインフォース(強化)が作用すると行動の反応率が高まるため、その行動が増える。罰やペナルティは行動の反応率を下げるので、その行動が減ることになる。
五つの手順が行動の反応率に及ぼす影響を右図に表した。これを見ると、「R+」「R-」はいずれも行動を増やしているが、「R+」には二倍以上の効果があることが読み取れる。行動を減らす「P+」「P-」は同一の曲線を描いている。驚くのはその効果の早さだ。罰やペナルティを受けてから一瞬、行動反応は増えるが、きわめて短時間のうちに行動がゼロになった。部下を無視する「E」も行動を減らしているものの、ゼロ近くまで減るのにかなり時間がかかった。この図で言えることは「P」の影響力の強さである。「R」や「E」と違って、ほぼ直角の曲線を描いている。日本企業で罰やペナルティがよく使われる理由もここにある。短時間で効果があるように見えるからだ。
(石田淳著「短期間で組織が変わる行動科学マネジメント」p.95~p.96 2007年 ダイヤモンド社刊)
【引用おわり】
行動した直後に、どのような環境変化があったかで、行動は増えたり、減ったり、変化なしだったりする。行動の直後がどのようになるかを明らかにすることで、行動の変化が分かる。どのぐらいの頻度で行動が起こるかを数えられるようになる。そうなれば、どのように環境変化すればよいか明らかにできる。
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