できる人とできない人の差はどのようにあらわれるだろうか。目的にそった自発的な行動がどうなっているかで分かる。積極的に仕事に取り組むか、いやいやながらの取り組むかではっきりする。そのことに関する、石田本による第46回目の引用である。
【引用はじめ】
部下ができない理由は、「仕事のやり方が分からない」と、「やり方は分かっているが継続できない」の二つがある。そして、自発的な意欲(ディスクレーション・エフォート)いかんによって、できる人とできない人といった個人差になってあらわれる。できる人とできない人の違いは右図のとおりである。
「最低限の要求」とは、会社側から社員への要求を示す。「せめてここまではやれ」という最低ラインだ。図の上側の曲線は、全体的に右肩上がりの傾向を示し、時間が経つにつれて成果が上がっている。この曲線を「Want to do (…したい) 」曲線と呼ぶ。仕事が好き、したいからやるという社員はこのような曲線を示す。「できる社員」である。これに対し、図の下側の曲線は立ち上がりがきわめて遅い。「最低限の要求」に達するのに長時間を要し、しかもピークらしいピークが見られない。「最低限の要求」をクリアした状態を維持するのに精一杯だ。この曲線を「Have to do (…ねばならない) 」曲線と呼ぶ。仕事が嫌で、生活費を稼ぐために仕方なく会社へ行く。上司に怒られたくないから仕事をする。「できない社員」はこのタイプだ。
(石田淳著「短期間で組織が変わる行動科学マネジメント」p.89~p.90, p.93 2007年 ダイヤモンド社刊)
【引用おわり】
できる社員にするためには、自発性が重要だ。仕事をしたいからするようになれば、期待以上の仕事をする社員となる。なんら指示や強制がなくても、自ら工夫して楽しく仕事に取り組むようになるのだ。もちろん、上司は時おりそうした社員の仕事ぶりを認めるようにするのである。それが励ましになり、なお仕事に対して一生懸命に取り組むようになる。
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