行動は何で左右されるのだろうか。「結果」しだいだというのが、行動分析学の考え方である。「結果」の直後に随伴する環境が次の行動に影響するのである。そのことに関する、石田本による第82回目の引用である。
【引用はじめ】
人の行動を方向づけるのは結果だ。 たとえ先行条件と行動が全く同じでも、結果によって次の行動は大きく変わる。
たとえば、次の例はどうだろう。
A(先行条件) 片側四車線の道路。車は一台もいない
B(行動) 「アクセルを思い切り踏む」
C1(結果1) 「気分爽快」
C2(結果2) 「検挙された」
鈴木さんが車に乗り込んだ。目の前に片側四車線の道路が伸びている。車は一台も走っていない。思い切りアクセルを踏んだ。気分が爽快になった。(結果1)
佐藤さんが車に乗り込んだ。目の前に片側四車線の道路が伸びている。車は一台も走っていない。思い切りアクセルを踏んだ。そこへ警官が出てきて、スピード違反の切符を切られた。(結果2)
翌週、彼らが再びこの道路を走ったとしよう。同じ行動すなわち「思い切りアクセルを踏む」を繰り返すのはどちらかだろうか?
(石田淳著「短期間で組織が変わる行動科学マネジメント」p.116~p.117 2007年 ダイヤモンド社刊)
【引用おわり】
上記の例によると、「アクセルを思い切り踏む」行動が、「気分爽快」だったら、次も同じように「アクセルを思い切り踏む」だろう。しかし、「アクセルを思い切り踏む」行動したら、「検挙された」となれば、次からはそうした行動はしなくなる。行動の直後にどのようなことが起きたかで、行動のしかたが大きく違ってくるのである。
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