2025年9月21日日曜日

組織が変わる(104) 「罰を使うことの問題」

 上司は部下に対して、期待どおりの働きができないことに不満をぶつける。「何でこんなこともできないのか」と言ったりする。部下は傷つく。仕事にも自信をなくす。消極的になる。いい結果を生まない。そのことに関する、石田本による第104回目の引用である。

【引用はじめ】

 人がある行動をするのは、結果がそれをサポートしているからだ。

 多くの管理職が部下のやる気を引き出そうとして罰を使う。ところが、罰は行動を増やすものとはなり得ない。だから必然的に部下は望ましくない行動をする。自分から進んで働こうとしなくなる。数字を操作する。上司の前でだけ働くふりをする。これを見た管理職はショックを受け、その部下を人前で叱責し、さらに罰を与える。悪循環であることに気づいていないのだ。

(石田淳著「短期間で組織が変わる行動科学マネジメント」p.129    2007年 ダイヤモンド社刊)

【引用おわり】

 上司は部下がいい結果を出すようにと、叱る。そうすれば、部下が間違いを起こさないだろうとの思いからである。しかし、部下には失敗を倍加する経験となる。自らうまくいかなかったという思いと、上司からの叱責が重なる。次への取り組みが自信をなくし、消極的なものになってしまう。決していい結果を生まない。 

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