2025年9月28日日曜日

組織が変わる(111) 「管理職になっても部下とはりあう」

 部下の手柄がとても気にくわない。特に、仕事ができる上司に限ってそういう人がいる。自分より部下の仕事がいいとなると気に入らないのである。そのことに関する、石田本による第111回目の引用である。

【引用はじめ】

 女性プログラマーが抜擢されて管理職となった。プログラマー時代、彼女にとって最も積極的なリインフォース(強化)は同僚との競争に打ち勝つことだった。常に競争意識を持つことで仕事の能率を上げ、速さと質の高さによって自分の優秀性を誇示していたのである。これは決しておかしいことではない。

 ところが彼女の場合、管理職となってからも仕事が速くてうまいことを部下たちに示したがった。信じられないかもしれないが、部下たちが成功することは彼女にとって罰だったのである。何かについて部下と張り合い、仕事ができる部下に対しては辛らつな批評を加えた。現役時代の自慢話を繰り返し、部下をこき下ろし、彼らの功績は一切認めようとしなかった。

 一緒に働く人を打ちのめすことでリインフォース(強化)されている人は意外に多い。

(石田淳著「短期間で組織が変わる行動科学マネジメント」p.132~p.133    2007年 ダイヤモンド社刊)

【引用おわり】

 仕事は、個人プレイでない。チームによってやるものである。チームの関係性が良ければ、より良い結果が倍化されるのだが、それを理解できない上司がいたら悲劇である。いくら個人的に仕事ができる人であっても、上司にするべきでない。上司としては不敵な人事だ。

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