仕事ができすぎた人に対して、やっかみから仕事ができないようにするのは容易である。みんなで村八分にしてしまうのである。できない連中と同レベルまで引きずり落すのである。そのことに関する、石田本による第106回目の引用である。
【引用はじめ】
行動によって結果がもたらされることを理解すれば、動機づけ条件がよりはっきりしてくるだろう。
ある会社に優秀な女性社員がいた。同僚たちの中でも圧倒的な実力を持ち、常に高いパフォーマンスを発揮して、驚くべき成果を次々とものにした。ところが、彼女の仕事ぶりは次第に色あせていき、同僚と同水準のパフォーマンスがやっとという状態にまで落ちぶれしまった。一体何があったのだろうか。
最も大きかったのは周囲のやっかみである。能力の差にプライドを傷つけられた同僚たちは、彼女を村八分にした。彼女のパフォーマンスが落ちると、手のひらを返すようにグループに受け入れた。休憩に誘うようになり、一緒にお昼を食べ、仕事帰りの飲み会にも誘った。
これを彼女の立場で捉えると、ハイパフォーマンに対しては罰が与えられ、ローパフォーマンスに対してはポジティブなリインフォース(強化)が与えられたことになる。
(石田淳著「短期間で組織が変わる行動科学マネジメント」p.130 2007年 ダイヤモンド社刊)
【引用おわり】
仕事をうまくできていたのに、同僚からは評価されない。職場では浮いた存在になってしまう。これではやってられない。それで、同僚と同じレベルに落とすと、同僚も満足する。優秀な社員も、ごく普通の社員になってしまうのである。
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