2025年9月8日月曜日

組織が変わる(91) 「ダイエットがうまくいかない」

 ダイエットしなくちゃと思いながら、ケーキなどにはつい手が出てしまう。1個ぐらいでは大したことない。でも、そう言いながらその積み重ねによって、ダイエットできないままになっている。罪悪感あるんだけれど、ケーキの甘さには負けてしまうのだ。そのことに関する、石田本による第91回目の引用である。

【引用はじめ】

 ダイエットの失敗例をABCモデルで解釈してみよう。
 A (先行条件) 「甘いものを食べてはいけない
 B(行動) 「ついケーキを食べる」
 C(結果1) 「おいしい」
 C(結果2) 「また太ってしまう」
 C(結果3) 「自分はだめだ」 

 大好きなケーキを食べた瞬間、生クリームの濃厚な香りと甘さと上品な甘さが口の中いっぱいに広がる。これはきわめて典型的な「リインフォース(強化)」である。いけないと分かっていても、おいしいからという本人にとってポジティブな結果である。あの甘さをまた味わいたいという行動反応となりケーキを買わせるのだ。

 しかし同時に、自責の念にも駆られているだろう。ケーキを口に運びながら「これでまた太ってしまう」「自分は意志が弱い」「だめな人間だ」と考え、自分に失望してしまうかもしれない。このときのいやな気分は「罰」として作用するわけだが、甘さによる「リインフォース(強化)」のほうがはるかに強いため、どうしても負けてしまう。

(石田淳著「短期間で組織が変わる行動科学マネジメント」p.122~p.123    2007年 ダイヤモンド社刊)

【引用おわり】

 ダイエット中だから、甘いもの食べるのは控えようと思っていても、ケーキには手が出てしまう。とてもおいしい。でも、これじゃ太ると思うし、ダメだなと思うんだが、あの甘さには負けてしまうのだ。なかなか思い通りにいかないことに、焦燥感を漂わせるのも一時的だ。おいしいケーキを食べて、ダイエットは二の次だ。

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