「ゆっくり仕事をする」部下は、その行動が強化されているからそうなっている。どんな行動が強化されているのだろうか。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第104回目となる。
【引用はじめ】
ゆっくり仕事をする困った部下に対して、上司が「まだかね」と言わんばかりのイライラした目で見るのは、弱化にあたります。ですから多くの人は、上司からこのような目で見られないように一生懸命に仕事をしようとします。
ですがこの人の場合は、いつも目を伏せていますから、上司の険のある表情を見ないで済むのです。となると、弱化の効果はあまりありません。
一方、「上司が他の人に仕事を振り分ける」のは、本人にとっては自分の仕事の負担が軽くなるわけですから強化となります。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.120
【引用おわり】
「ゆっくり仕事をする」部下は、目を伏せがちである。上司がそれに対して嫌な顔をしても、そのことに気付くことはない。目を伏せて相手がどんな表情をしているか見ないから、自分のペースでゆっくり仕事を続ける。
かえって、他の人に仕事が振り分けられて、その部下は仕事の負担が軽くなって得する。「ゆっくり仕事する」ことが強化されるのだ。こうなれば、自分の「ゆっくり仕事をする」ペースを変えることはない。
上司がねらっている通りには、その部下の「ゆっくり仕事をする」行動は変えられない。
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