部下などの発言内容が不適切だとしたら、頭から否定することは禁物だ。そもそも発言することが少ないとしたらなおさらである。発言を促すことを大事しないと。すぐはうまく発言できないことを受け入れる必要がある。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第120回目となる。
【引用はじめ】
「相手を否定してはいけないというなら、間違っていることでも正しいと言わなければいけないのか」とか、「間違っていることを間違っていると言って、何がいけないのか」という人がいますが、それは人との関わり合いを論理的理解だけでとらえている人が抱きやすい誤解です。そういう人は否定されると、発言者は「あなたは、私の話をちっとも分かってくれていない」と反発することがあります。そうした反発に、論理的理解しかできない人は対応できません。
「分かっていない? そんなことはない。十分に分かったから間違いを指摘しているのではないか」と言ったとしても、発言者は納得しないでしょう。上司として、部下を論破することが大事なのか、それとも、部下の望ましい行動を引き出したいのか、どちらが大切かよく考えてみることが大切です。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.133~p.134
【引用おわり】
部下などの立場を認めてこそ、発言も引き出せるのである。初めから高いレベルの発言内容を求めても難しい。まずは、相手が抵抗なく自由闊達に発言できるようにすることである。少々の問題や間違いあっても、目くじらたてた物言いでなく、相手の納得を得られる対応こそ大事だ。それが共感的理解ということになる。
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