部下などの発言が少なくて困っている。それを引き出すにはどうするか。発言しやすいきっかけをつくって、発言したら、その直後に強化する。こうした繰り返しが原則と言っていい。ただ、その発言が的外れということもある。そうした場合、どう対応するか。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第117回目となる。
【引用はじめ】
人の発言には、的外れなものや思慮が足りないもの、間違っているものがたくさんあるでしょう。しかし、それを間違っているからといって頭ごなしに否定されては、発言者は、もう発言しようとしなくなります。発言が弱化されてしまうのです。
人が人を理解するには、論理的理解と共感的理解の2種類があります。論理的理解とは、相手の話を頭で論理的に聞き理解することです。ここでは、間違っているものは間違っていると判断されます。本当は違うのに「それは正しい」などと言っては嘘になります。
ですが理解のしかたにはもう一つ、共感的理解というものがあります。これは、相手の話を自分の心(胸)で情緒的に聞き理解するというものです。つまり、話の表面的な内容だけではなく、相手がそういうことを言いたくなる気持ちを理解してあげるというものです。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.132~p.133
【引用おわり】
発言内容には、適切な問題提起や提案などある。そうしたものには、受け入れやすく強化される。しかし、見当はずれで、受け入れがたいものだってある。こうした発言にはどう対応すればいいか。頭ごなしに批判・否定は禁物である。発言は発言としてまずは受け入れ、どこがどう問題かていねいに説明して、相手が受け入れやすい修正を行うのである。それが共感的な対応である。そうすることで、相手の発言内容やしかたも変わってくる。
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