部下が挨拶をほとんどしない。そのために、上司としてはそれがすごく気になる。挨拶するようにするにはどうするか。部下が挨拶した直後に強化すればいいのだか、挨拶を滅多にしないので、褒めたりして強化する機会がない。どうすればいいのだろう。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第107回目となる。
【引用はじめ】
「挨拶する」ようにする強化の工夫は、全て行動の後に行います。つまり、対象者が挨拶しない限り、強化はできません。そこで、行動直後の強化に加え、行動の前にも、行動を促すきっかけをつくってみるのです。たとえば、次のようにです。
- 朝礼などで「お互いに、きちんと挨拶しよう」と職場のみんなに呼びかける
- 元気でいい挨拶をしている人を、対象者が見聞きできるところで褒める
- こちらから声をかけ挨拶する
特に2と3は、対象者から模倣という行為を引き出します。2では、褒められている人を見て、その人の行動を真似しようとします。3では、挨拶したあなたの行動を、相手が真似ることになります。そうやって挨拶という行動を引き出したうえで、強化するのです。
このように、きっかけ⇒行動⇒強化の三本柱で考えるのが、行動変革の一つの「型」です。これを行動変革フレームワークと呼ぶことにします。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.126
【引用おわり】
挨拶したらその行動の直後に強化するだけではうまくいかない。挨拶することが滅多にないからだ。そうなったら、挨拶をするきっかけが必要である。行動を引き出すためのきっかけによって、挨拶を促し、挨拶したらその直後に強化するのである。きっかけといっても、難しいことではない。「職場内で挨拶しようと呼びかけ」「元気に挨拶する人を褒める」「自ら挨拶する」なのだ。
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