「ゆっくり仕事をする」部下にとって、その行動はどんなことで強化されているのか。上司や同僚はどんな対応をしているか。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第105回目となる。
【引用はじめ】
ゆっくり仕事をする困った部下に対して、上司が「まだかね」と言わんばかりのイライラした目で見るのだが、その部下は目を伏せがちなので、そうした表情に気付かない。それで、「上司が他の人に仕事を振り分ける」。上司にとっては、部下の仕事の遅さにイライラさせられた挙句に、その部下のゆっくり仕事をする行動をさらに強化していることになります。
また、「優しい同僚が手伝ってくれる」。本人にとっては負担が軽くなるだけでなく、同僚の優しさに触れることもできて嬉しい気持ちになって、強化の効果はさらに大きくなります。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.120~p.121
【引用おわり】
「ゆっくり仕事をする」部下に対して、上司や同僚は誤った対応をしている。そのため、その部下の「ゆっくり仕事をする」ことが続く。上司は「他の人に仕事を振り分ける」。同僚は「仕事を手伝ってくれる」。その部下にとっては、仕事の負担が減って、同僚の好意が嬉しい。「ゆっくり仕事をする」ことに対する「好子出現による強化」となっているのだ。
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