「ゆっくり仕事をする」部下に、上司は困っている。一日の目標を立てさせて、それを報告させるようにした。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第122回目となる。
【引用はじめ】
「ゆっくり仕事をする」部下への対処として、毎日その日の目標を立てさせ、夕方に進捗報告をさせるようにしてはどうでしょう。そうすれば、ゆっくり仕事をしていたら夕方には上司に叱られることになります。「仕事をする」という行動は朝からするので、夕方に叱られるという結果は行動直後のものではありません。ですから、これはルール支配行動の一種です。
「ゆっくり仕事をして、その日の目標を達成できなかったら、夕方には叱られる」というルールが、ゆっくり仕事をするという行動を弱化することになるのです。逆に、てきぱきと働いてその日の目標を夕方までに達成できれば進捗報告で褒められる、というルールを導入すれば、速く働く(早く仕事を終える)行動が強化されます。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.135
【引用おわり】
目標が達成できたら強化し、達成できなかったら弱化する。目標の達成状況を報告させるようにして、仕事をどの程度できるようになったか見える化したのである。仕事が速いか遅いかを明確にして、部下の仕事量を認識させるようにしたのである。
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