2022年7月31日日曜日

斬新なアイデアほど実現には時間を要する

 新しいアイデアを考えつき提案することが、弱化や消去されている。こういう状況とは、どういうものか。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第134回目となる。

【引用はじめ】

 会社にとって提案されないものは存在しないのと同じです。考えるというだけでなく、考えて提案するというところまでを焦点に当てた行動を考える必要があります。すると現在は、この行動が消去されたり弱化されたりしていると思われます。具体的に調べてみると、以下のようなことがあります。

  • 提案しても、「できない理由」を言われて否定される(弱化)
  • 提案しても、「検討します」と言われ、いつ結果が出るのか分からない(消去)

 つまり、どのようなアイデアを提案しても、否決か持ち越しになり、その場で採用されることはないというのです。

 よほど簡単で小さなものであれば、その場で採用ということもできるでしょう。しかし、たいていの提案は、メリットとデメリット、費用と効果を比較し、実現可能性も見極めながら、やるべきか否かを慎重に検討する必要があります。斬新なアイデアであればあるほど、そうなります。しかも、やると決まったことでも、すぐに実現できるものは少なく、準備にある程度の時間がかかるものも多い。だから、提案する側にとっては、すぐに実現されることを望んでいても、現実にはその期待通りにはなかなかならないのです。

舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.144~p.145

【引用おわり】

 新しいアイデアが提案されたとしても、それが受け入れられ実現するまでには、多くの時間が必要である。慎重審議を重ねてようやくアイデアは採用される。自分が初めに提案したものとは大きく変わっていることさえある。新しく斬新なアイデアというものはそういうものだ。新しいアイデアを生み出すということは、そういうプロセスを必要とするものだということを理解しておくことである。

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